ゴルフにおける肩甲骨の役割
ゴルフスイングでは、腕や腰の動きが注目されがちですが、実際に動作の中心を支えているのは「肩甲骨」です。
肩甲骨は背中の上部で浮かぶように存在し、腕・胸郭・背骨と連動して動きます。
この可動性が、スイング全体の“しなやかさ”や“再現性”を左右します。
特にトップからダウンスイングにかけて、肩甲骨は回旋・下制・内転などの複雑な動きを同時に行います。
もしこの動きが制限されると、クラブが「詰まる」「振り抜けない」といった違和感につながり、結果としてスイング軌道が乱れます。
肩甲骨は単独で動くわけではなく、
- 胸椎(背中の骨)の柔軟性
- 肋骨の広がり
- 骨盤の回旋
といった複数の要素と連動しています。
つまり、肩甲骨の可動域が狭くなるということは、「背中ごと固まっている」状態を意味します。
スポーツ庁の資料でも、ゴルフのように全身を使う競技では体幹部と肩甲帯(肩周囲)の連動性がパフォーマンス維持に不可欠と示されています(スポーツ庁「中高年のスポーツ活動に関する調査」).
このため、ゴルファーにとって肩甲骨は「スイングを安定させる軸」であり、痛みが出ていなくても日常的にケアしておく価値があります。
肩甲骨の動きが悪くなる主な原因
肩甲骨の可動域を狭める要因は、日常生活の中に数多く潜んでいます。
特に次の3つは、多くのゴルファーに共通する「肩甲骨が動かない原因」です。
① デスクワーク中心の生活
長時間のパソコン作業やスマートフォン使用により、背中が丸くなり、肩甲骨が外側へ広がったまま固まってしまうケースが多く見られます。
この姿勢では、肩甲骨が「前に張り出した」状態で固定され、胸が開かなくなります。
その結果、テイクバックで肩が引けず、スイングが浅くなる原因になります。
② 胸椎(背中の関節)の硬さ
肩甲骨は胸椎の上を滑るように動くため、背中の関節が硬いとその動きが制限されます。
加齢とともに胸椎の柔軟性が低下し、呼吸も浅くなりがちです。
深い呼吸を取り戻すことが、肩甲骨の動きを改善する第一歩となります。
③ 加齢・運動不足による筋力低下
中高年期になると、肩甲骨を支える筋群(僧帽筋・菱形筋など)の働きが弱まり、肩甲骨が“背中に張り付く”ような状態になります。
これは、腕を上げ下げする筋肉ばかり使い、背中の筋肉を動かしていないことが原因です。
結果として、スイング中に上半身が“ねじれない”状態を招き、力みの多いフォームになります。
厚生労働省の健康情報サイトでも、加齢による肩関節可動域の減少は姿勢悪化と密接に関係すると整理されています(厚生労働省「健康づくりのための運動指針(改訂版)」).
スイングを滑らかにする肩甲骨ストレッチ3選

肩甲骨の動きを改善するためには、筋肉を「強く伸ばす」よりも、滑らかに動かすことが大切です。
ゴルフのスイングは一方向のねじり動作が多いため、偏った動きをリセットし、背中全体のバランスを整えるよう意識しましょう。
ここでは、自宅でも簡単にできるおすすめストレッチを3つ紹介します。
※効果には個人差があります。痛みや違和感が出た場合は中止し、既往歴や持病がある方は医師または施術者にご相談ください。
① 肩甲骨寄せ伸ばしストレッチ
- 椅子に浅く座り、背筋を軽く伸ばします。
- 両腕を前に出して手のひらを合わせ、背中を丸めるように肩甲骨を開きます。
- 次に、両肘を後ろに引きながら胸を開き、肩甲骨を寄せます。
この動きをゆっくりと呼吸に合わせて10回繰り返しましょう。
「背中が温まる」「胸が開く」感覚があれば、正しくできています。
👉 ポイント:力任せに動かさず、背中の筋肉が自然に寄る感覚を大切に。
② タオルを使った肩まわりストレッチ
- タオルを肩幅より少し広めに持ち、頭上に上げます。
- 背筋を伸ばしたまま、タオルをゆっくり背中側に引き下げます。
- 胸を張るようにして、肩甲骨を内側へ引き寄せます。
可動域が狭い人ほど、タオルの位置を少し前めに調整すると安全です。
肩関節を「押し込む」ような動きは避け、肩甲骨全体で動かす意識を持ちましょう。
この動作は、肩甲骨下部の可動性を高め、スイング中のフォロー動作をスムーズにします。
③ 壁を使った胸郭ストレッチ
- 壁に向かって立ち、両手を肩の高さでつきます。
- 背中を保ちながら、体をゆっくり前へ倒し、胸を床に近づけます。
- 深呼吸をしながら20秒キープし、肩甲骨が背中で動く感覚を意識します。
このストレッチでは、胸椎(背中の関節)と肩甲骨が一緒に動きます。
特にテイクバックで上体が硬く感じる人におすすめです。
📘 ストレッチ効果を高めるポイント
- 動作中は常に呼吸を止めないこと
- 痛みを感じる範囲で止め、可動域を“広げようとしない”
- 毎日短時間(1回3〜5分)でも継続することが重要
国立スポーツ科学センターの資料によると、柔軟性の向上には「強度」よりも「頻度」が影響すると報告されています(国立スポーツ科学センター「柔軟性向上に関する研究」).
肩甲骨を整えることで得られる変化
ストレッチを継続することで、少しずつ肩甲骨の可動域が広がり、スイング動作全体が軽くなっていきます。
ゴルファーがよく感じる変化としては、次のようなものがあります。
- テイクバックで肩が引きやすくなる
- フォローで腕の通り道がスムーズになる
- 背中や首の張りが軽くなり、疲れにくくなる
これは、単に筋肉が柔らかくなったのではなく、背骨と肩甲骨が連動しやすくなったことを意味します。
呼吸が深くなり、体幹の回旋動作が自然と滑らかになるため、結果的に「しなやかに振る」動作へつながります。
スポーツ医科学の研究でも、肩甲骨の可動域改善はスイングの再現性向上に寄与すると報告されています(筑波大学体育系「ゴルフスイングにおける肩甲帯可動域の関与」).
💡 ここまでのまとめ
- 肩甲骨は「動かしてほぐす」が基本。強く伸ばす必要はない。
- 呼吸と連動させることで、胸郭と背骨の柔軟性も高まる。
- 可動域が広がると、スイング中の「詰まり」が自然に減る。
訪問ゴルフ整体でできる可動域ケア

セルフストレッチは、日常で肩甲骨を動かす習慣をつけるのに最適です。
一方で、「どこまで動かしていいかわからない」「やっても変化を感じにくい」といった声も多く聞かれます。
こうした場合に効果的なのが、専門家による評価と施術による可動域ケアです。
Golfitでは、国家資格を持つ施術者がゴルファーの身体を医学的視点から分析し、
肩甲骨や胸椎の可動性、骨盤との連動などを丁寧にチェックします。
評価では、
- 姿勢・スイング動作の観察
- 関節の動きの制限(どこが止まっているか)
- 呼吸と体幹の連動性
などを総合的に見極め、あなたの身体の「動きのクセ」を明確にします。
施術では、筋膜リリースや鍼灸、関節のモビリティ調整を組み合わせ、肩甲骨まわりを深部から解きほぐすアプローチを行います。
単に「肩を回しやすくする」だけでなく、スイング全体の再現性を高めることを目的としています。
このように、セルフケアと専門ケアを組み合わせることで、
一時的な軽さではなく「動ける身体」を維持しやすくなります。
詳しい施術内容は Golfitの施術内容 で紹介しています。
自宅で受けられる訪問専門のケア
Golfitの施術は、完全予約制・訪問専門スタイル。
ご自宅やオフィスなど、あなたの落ち着ける空間で受けられるのが特徴です。
- 移動の負担がなく、時間を有効活用できる
- 他の利用者と顔を合わせず、プライバシーが守られる
- 国家資格者によるマンツーマン対応で安心
特に50〜60代のエグゼクティブ層からは、
「出張型でここまで本格的な施術は珍しい」
「自宅で受けられるのが想像以上に快適」
といった声も多く寄せられています。
サービスの流れや所要時間については、ご利用の流れ をご覧ください。
料金の目安は 料金ページ にて公開しています。
まとめ|肩甲骨を整え、“しなやかに振る”身体へ
肩甲骨の動きは、ゴルフスイングの「しなやかさ」と「再現性」を支える要。
普段から動かす習慣をつけることで、無理のないフォームを維持しやすくなります。
- デスクワークや加齢で硬くなった背中を、呼吸とともに解きほぐす
- 肩甲骨・胸椎・骨盤の“連動”を意識して動かす
- セルフケアと専門ケアを併用し、継続的に可動域を保つ
そして、疲労をためない・力まない・自然に振る。
それが、年齢を重ねても“しなやかにスイングできる身体”をつくる基本です。
日々のストレッチと、プロによる定期的なメンテナンス。
その2つをバランスよく取り入れることで、あなたの身体は確実に変わっていきます。
